東京農業大学第三高等学校/東京農業大学第三高等学校附属中学校

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個を尊重した多彩な学び

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1月8日 第3学期始業式 校長訓話

2020年1月9日

 皆さん、おはようございます。そして、明けましておめでとうございます。

 新しい年、令和2年、2020年がスタートしましたが、新年早々嬉しいニュースがありましたね。正月恒例の箱根駅伝で、青山学院大学が総合優勝を果たしましたが、その立役者となったのが、農大三高の卒業生である吉田祐也選手でした。4年生にして最初で最後の箱根路で、吉田選手は往路4区をこれまでの区間記録を24秒更新する1時間00分30秒で快走して首位に返り咲き、後続との差を一気に広げて見せたのです。2年生の時も3年生の時もチームで「11番手」の立場で、箱根では前々回、前回とも控えに回っていましたが、それでも腐らず、悔しさを人一倍抱えながらもチーム一の練習量をこなしてきたことが、最高の結果につながったのだと思います。まさに、不屈の精神(こころ)で挑んだ吉田選手を見習い、皆さんも何か自分自身をさらにステップアップさせることにチャレンジしてください。

 さて、今日は皆さんにもう一人、腰塚勇人さんという方の話をしたいと思います。腰塚さんについては、テレビや新聞などでも取り上げられたことがあるので、知っている人もいるかもしれません。腰塚さんは、神奈川県出身で大学卒業後、中学校の体育教師となりクラス担任やバスケット部の顧問として熱血指導の日々を送っていましたが、スキーでの転倒事故により首の骨を折り、首から下がまったく動かなくなってしまいました。医師から「一生寝たきりか、よくて車イス」という宣告を受け、絶望のあまり自殺未遂を行うまで追いつめられましたが、家族や仲間の先生、生徒たちをはじめ周囲の人々に支えられ、奇跡的な回復を見せました。下半身と右半身の麻痺などの障がいを残しながらも中学校教師として復帰し、自身の体験を「命の授業」として動画公開したところ、大きな話題となりました。その後は講演家となり、自らの経験をもとに「命の尊さ」「生きていることの素晴らしさ」などについて、全国をまわって講演を行っています。

 腰塚さんは、その「命の授業」への想いを次のように述べておられます。

 人は人によって支えられ生かされている。
 誰もが一人じゃない。
 「助けて」って言っていい。
 命があるのは当たり前じゃない。
 当たり前の中に幸せはある。
 私はケガから復帰する中でそれを心から実感しました。
 「命の授業」の講演を通じて「命の大切さ」や「命の尊さ」を伝えたい。
 一人一人に「今ある幸せ」と「命の可能性」に気づいてほしい。
 いじめや自殺を減らしたい。
 そして、一人でも多くの人に「命の使い方」や「命が喜ぶ生き方」を考え、行動し、生きてほしい。

 腰塚さんは、ケガをして入院、リハビリをする中で、命があることも生きていることも当たり前ではないということに気づかされました。そこで決めたことは、「自分と他人の命を傷つけない」ということ、「命の喜ぶ生き方をする」ということでした。腰塚さんは、それを具体的に行動に移すための自分との約束として、「五つの誓い」を立てられました。この「五つの誓い」を聞いた時、私もかくありたいと思い、それからずっと意識しています(でも、実際にはなかなかその域までに達しませんが)。

 その言葉を皆さんに紹介します。
 (一)口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう。
 (二)耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう。
 (三)目は人のよいところを見るために使おう。
 (四)手足は人を助けるために使おう。
 (五)心は人の痛みがわかるために使おう。

 どうでしょうか。人は一人では生きていけません。お互いに支え合って生きていくことが大切です。皆さんも、「命の尊さ」「生きることの素晴らしさ」「仲間の大切さ」を実感し、口・耳・目・手足・心を、ぜひみんなが幸せになるように使ってください。

 今年が、皆さんにとって有意義な年となることを願っています。

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