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サイレント・アクティブラーニング(世界史)~なぜルネサンスは起こったのか?~

2020年 10月05日
  • # 高等学校
  • # キャンパスライフ

2年生Ⅰコースの世界史で、アクティブラーニングが実施されました。一学期に引き続き、一切の声を発しないサイレント・アクティブラーニングとなりました。

まずルネサンスがフランス語で「再生」という意味であること、ギリシア・ローマ文化の影響が強いことを示したうえで、①ルネサンスはなぜ起こったのか? ②ルネサンスはなぜイタリアで始まったのか?という2点について議論しました。

実施方法

担当教員は学校支給のiPadを用いてLINEのアカウントを取得し、グループを設定する。

生徒は4~6人のグループを作り、LINEのグループトーク機能を利用して議論する。

教科書、資料集、授業プリントは全て閉じさせている。

担当教員は、iPadで各グループのトーク履歴から議論の流れを見守り、必要であればアドバイスのコメントを書き込んだ。

教員講評

全ての班の議論をまとめると、十字軍の失敗や大シスマなどによるローマ教会の権威低下からキリスト教に縛られない文化が登場したこと、また東方貿易によるイタリアの経済的発展、フィレンツェのメディチ家など金融業者の登場、十字軍によるイスラーム世界からのギリシア文化の流入、オスマン帝国に攻撃されたビザンツ帝国からの亡命者など、ここまで習った内容を使ってルネサンスの要因について多角的な考察ができていた。ある班では、イタリアの分裂状態をまとめようとする方向とルネサンスの思想を結びつける発想があり、議論のなかで歴史的に正確ではない部分もあったとはいえ、マキァヴェリの『君主論』につながる興味深い考察だったと思う。