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理数探究課程 4月活動報告

2022年 05月14日
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昨年度よりスタートした理数探究課程の一期生である私たちが行った実験や活動を報告したいと思います。

昨年度の下旬より乳酸菌、酵母、植物班に分かれ各自で実験・研究を進めてきました。そのため今月は昨年度の実験に引き続き研究を行いました。

乳酸菌班

まず、私たち乳酸菌班は、一発目の活動として乳酸菌に関する論文を各自で読み進め、まとめ・発表を行いました。
私たちは乳酸菌に対する知識が乏しかったために、一つ一つの言葉の意味を調べることから始まりました。
それぞれが実際に論文というものをしっかり読んで理解するということは未経験であったため、とても難しく大変でした。
しかし、読み進めていくうちに理解をする楽しさを覚え、最終的には全員がまとめから発表まで完成することができました。
まとめから発表までをこなした所感として、乳酸菌の世界はまだまだ未知であることを感じました。

その後、以前から進めていた実験の結果をまとめました。
乳酸菌GYP培地という乳酸菌が生活するために必要な栄養素が含まれている培地を使い、牛乳に含まれている乳酸菌を培養することを行います。
乳酸菌(特に乳製品などに含まれる動物性乳酸菌)は十分な栄養のあるもとでしか生育できないため、特別な培地を作り、使用します。

上記の写真は以前に作っていた培地のものです。
それらの実験を3月中から行い、ついに乳酸菌の生育に成功しました。

この写真の黒い丸の中の白いものが乳酸菌と思われるものです。

今回行った実験は、乳酸菌を摂取する上でどのような条件が最良であるかを調べる実験でした。
培養2日目のものはカビと乳酸菌が生え混じってしまっているため不可となり、培養4日目のものは雑菌が生えてしまうことがわかり不可となりました。
したがって、3日目のものが1番条件として最良となりました。
実際はさらに希釈の倍率が異なるのですが、今回は説明を省かせていただきます。
今月の最終活動としては、今までの実験のまとめとして論文の作成を始めました。
論文の作成はとても難しく、今までの実験の過程をしっかりと書き留めることの大切さを痛感しました。また、実際に論文を書くという普通の高校生ではできないようなことができ、とても良い経験となりました。
これから書いていく論文をより良いものに仕上げられるようにしていきたいです。

執筆 乳酸菌班 生徒

酵母班

学校周辺から自然に生息している植物を採取し、酵母を摂ると言う作業を行なっています。最終的には、ビオチンを含む酵母を見つけることを目指しています。

酵母を摂るために、採取した植物を培養液に入れ、1週間ほど培養しました。

培養してから、1週間後の様子です。
成功すると、フラスコを揺らしたときに泡が立ちます。

酵母が培養された培養液から単離するために、平面培地で培養します。
この後、単離した酵母を一つずつ液体培地で培養し、それを斜面培地で保存していきます。

これから、ビオチンを含む酵母かどうか調べるために、普通の培地とビタミンを含まない培地の二種類の培地で培養し、ビタミンを含まない培地で培養が成功した酵母をサンプリングしていきます。(ビオチンはビタミンを作ることができるため、ビタミンが含まれない環境でも生息できる。)

執筆 酵母班 生徒

理数探求 広報

私達は土壌改良資材であるバイオチャーを畑に散布した時のダイコンを調べています。バイオチャーとは木や草を炭にしたものです。そのバイオチャーを散布した土壌でダイコンを栽培しています。週に4回葉を測定し、月に1回土壌を測定しています。計測は1回に40分程かかるので昼休みがなくなってしまいます。しかしその結果全日本生態学会で賞を獲得することができました。理数探求でこの研究をした事で大学の研究に似た貴重な経験を得ることができました。研究はまだ途中なので今後も引き続き努力をしていこうと思います。

執筆 植物班 生徒

 

  • バイオチャー
    バイオチャー
  • 土壌の測定
    土壌の測定
  • ダイコンの子葉
    ダイコンの子葉
  • 区画の様子
    区画の様子

以上で今月の活動報告を終えます。

農大三高理数探究課程では、大学と連携した専門的な研究を高校生活の中で行うことで、論理的思考力を身に着け、将来グローバルに活躍する研究者となるような生徒の育成を目指して活動しています。1年生の1学期では、研究するためのスキルを身に着けるため、探究学習を行っています。「誰よりも理科に興味がある!」「研究者になりたい!」そのような生徒の入学を心よりお待ちしています。